音楽に関する話をしよう

自由に書いてます、音楽が好きです。

弱虫でも良いから想っていよう

 

 

初めて大好きなバンドのメンバー脱退という経験をした。

 


最初は信じられなかった。「信じたくなかった」が正しかったと思う。

 


飽き性な私が久々にハマったIvy to Fraudulent Gameというバンドのギター、大島さんの脱退のお知らせを見たのは10月14日。別のバンドのライブに行っていて、友達とIvyの行きつけバーにお邪魔させてもらい、楽しくお酒を飲んでいた。

 


1週間ほど前からIvyは「一身上の都合で」というよくわからない理由で、予定していたライブを相次いで出演キャンセルをしていた。

 


最初は「なんだろう?」と気になっていたが、そこまで重く受け止めていなかった。

 


しかしその状況が1週間も続いた。メンバー各自のsnsの更新は止まったまま。流石に不安になってくる。心配の声をあげるファンのツイートが増える。私も不安の気持ちでいっぱいだった。

 


「事故に遭ったのかな?」「誰か病気になったのかな」「メンバー同士の喧嘩かな?」

 

 

 

 


「10年以上も続いてるバンドが、今更揉めたり喧嘩なんかでバンド辞めるなんてないよな」

 

 

 

って思ってた。

 

 

 

それは1番現実で起きてほしくないことだったから。

 

 

 

でも現実はひどく真っ直ぐに、あまりにも突然に私の前に現れた。

 

 

 

 

 

 

【メンバー脱退のお知らせ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライブ終わりの楽しかった感情は一瞬で消えた。感情が無になった。何も考えられなかった。時間が経つと嫌でも実感して、涙がこぼれた。

 

 


せめてさよならだけは言わせて欲しかった。音を最後に聞かせて欲しかった。4人のあの独特の距離感、空気感が好きだった。でももう何もできない、無力だと思った。

 


それからしばらくはIvyのSNSをなるべく見ないようにした。自然と離れていったという表現の方が近いかもしれない。

 

 

 

そして今日、「春に逢えたら」ツアーでIvyが札幌に来てくれた。正直この日が怖かったし、来るなとさえ思っていた。受け入れられる自信がどこにもなかったからだ。

 

 

 

仕事を1時間早く終わらせて、高速道路を約2時間吹っ飛ばした。

 


対バン相手のサリバンも気になってたのでそこは素直に楽しみだった。

 


中でも好きな「パンタ・レイ」。歌詞が今日の私の感情と一緒だった。

 

 

昨夜 俺 夢みたんだ

あいつふらっと還ってきたんだ

そんで 俺 嬉しくなって泣いた

あいつは困って 笑った

 


重なりすぎた。「還って」ではなく、「帰って」の意味ではあるけど、大島さん、本当にふらっと帰ってきて欲しいと思った。ファンが辛かったとか、苦しかったとか同じことしか言えなくて、同じように泣いている人たちを見ながら笑ってほしいななんて想像して勝手に車の中で1人で泣いた。

 

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ライブハウスに着いて、息を整える。ライブの張り紙は3人のアー写になっている。苦しい。色んな思いを抱えたままフロアに足を運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

【ここから曲名が一部出るので見たく無い方はUターンお願いします】

 

 

 

 

 

 

 

1曲目は「boy」という新曲だった。正直覚えていない、良いとか悪いとか思えないほど曲に集中できないほど緊張していたから。音源出たらちゃんと聞くので許してください。

 

そして「泪に唄えば」「オーバーラン」と明るい曲調が続く。こちらを不安にさせないためのバンド側の配慮だと思った。せっかく来てくれたから、楽しまないと、そして楽しませてあげたいという気持ちになる。なるけれどまだ乗り切れない。

 

そして「yaya」。大島さんが作曲した曲。このアルバムで私が1番好きな曲だった。やっぱり無理だった。涙が止まらない。仲道さんのサポートはもちろんありがたいし、ものすごく感謝している。自身のバンド活動もあってかなり大変だと思う。その中でやり通してる仲道さんは誰が見てもカッコよくてIvyファンにとってはスーパースターだ。

 

でも音がやっぱり違う。音の形が。あの音はもう聞くことができない。4人が真っ直ぐに音を鳴らしてくれるからこそ痛感して涙が止まらなくなった。

 

MCのタイミングは忘れてしまったが、寺口さんが「自分達の音楽が好きだから続けたい」と強く口に出して言っていた。こちらを安心させるため、そして自分自身も強くさせるための言葉だったと思う。

 

そこからはあまり記憶がない。「故郷」、ライブ本編の最後の「青二才」はかなり沁みたのだけは覚えている。

 

 

まだ好きになったばかり、大学四年生で就活が終わり、初めて群馬に足を運んだ時のこと。胸をワクワクさせながらIvyの地元で「故郷」を聞いた時のことを思い出す。あの時は嬉しくて本当にたまらなかった。東京から想像以上に離れていて、「もう次はないな」と思っていたけど簡単に翌年も群馬に行っていたあの頃。人生本当によくわかんないな、面白いなって思ってた。思うきっかけがくれたバンドの形が変わるなんて思ってなかった。

 

アンコールで「劣等」を演奏してくれた。この曲は本当に救われたし、4人も楽しそうに演奏しているのが好きだった。歌詞は決して明るいとは言えないのに、明日も頑張ってみようかなと背中を優しく押してくれるのが好きだった。

 

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ライブが終わった。楽しかったけど、苦しかった。半々くらいのよくわからない初めての感情だった。いつまでもクヨクヨしてるのもIvyに失礼だ。でもまだ時間がかかりそうだと思う。頑張って受け止める。今は無理でもいつかは笑ってまだライブに行きたい。

 

 

弱虫でも良いから想っていよう。

 

 

 

 

大島さん元気でね。少しの間しかライブ見れなくて本当に悲しいです。今数えたらIvy8回しか見てなかったよ。Ivyの音楽について楽しそうに話してるあなたの表情が好きでした。

 

大島さんがいないIvyも自分のペースで、応援していきたいと思う。

 

 

 

 

形上離れ離れになってしまっても、どこかで交わっていますように。