音楽に関する話をしよう

自由に書いてます、音楽が好きです。

光があるから見えてしまうもの

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この日をどれだけ待ち侘びていただろうか。

 

まだ袖の長い服を着ていた3月から季節が変わり、約5ヶ月という月日がすぎ、歩くだけで汗をじんわりかくくらいの夏に、ようやく大好きなIvy to Fraudulent Gameのライブに行くことができた。しかも彼らの地元、群馬で。

 

久しぶりすぎて実感が湧かなかった。飛行機に乗っている間、久々にIvyをずっと聞いていたけど、「ライブだ!」とワクワクしている気持ちより、「本当に彼らの音楽聞けるの?」という半ば疑いのような気持ちの方が大きかった。

 

今日は前橋ダイバーということで、初めてのライブハウス。暑いし、駅から割と歩くし、人は全く見当たらないし、意外と閑散としていて驚いた。足を踏み入れると、想像より小さいライブハウスで、ますます今日のライブが楽しみになった。

 

有難いことに、昼も夜もライブに行くことができた。昼の方が整番が早くて、夜は本当に後ろの方で、逆だったら良かったのになってちょっと思ったけど、行けるだけ良いの!と自分に言い聞かせていた。

 

早速本編について触れていきたいと思う。

 

最初の「error」、ここに持ってくるのかと裏切られたように、でも爽快に始まったのが印象的だった。弾き語り始まり、Ivyの雰囲気にグッと引き込まれた。のぶさんの声がダイバーいっぱいに広がっていく。ああ、こんな感じだったなあって懐かしくなった。「error」の熱を持ったまま、「Memento Mori」へ。何回も音源で聴いていたこの曲なのに、「これ程手立てのない日々に 触れて壊して触れて壊して やってきたんでしょ」という歌詞に激しく共感してしまった。わたしがここに来た意味って、毎日どこかやり場のない気持ちを音楽で吹き飛ばしたくて、大好きなバンドにパワーをもらいたくて、来てるんだなって思って。久しぶりにライブハウスで涙がポロポロと落ちた。自分の中でかなりIvyのライブに行けてなかったこともあって、心がじわじわと熱くなっていくのが自分でもわかった。

 

そうして、曲調が明るいのに気持ちはなんだか感傷的で、感情がよくわからないまま、のぶさんが「今日は昔の曲もやります」と言い、何だろ、と思ってたら大好きな「反逆者」が爆音で始まった。私の気持ちをまるで置いていくように、どんどん曲が進んでいった。それがなんだか嬉しくて、マスクの下でニヤつきながら聞いていた。反逆者は、Ivyの中でも好きな方で、しかもライブで聞いたことがなかったから、噛み締めるように、目の前の音楽に食いつくように、聞いていた。そしてそのまま「青写真」「E.G.B.A.」へ。ダークな雰囲気が続き、わたしはこの辺の曲が好きだったから、気持ちはもう最高潮。むしろもう越えるくらいの域まで達していた。

 

そして「Unconditional」が流れ、ハンドマイクを持ったのぶさんの息を吸う音が聞こえて、始まった「番」。この独特の暗さを表現できるのはIvyならではだなと思って聞いていた。のぶさんの声って明るい曲より、「聞かせる」メインの曲の方が合っている気がする。心が救われる、浄化される感覚になる。大島さんのバイオリンみたいなあの奏法、初めて見て、ずっと見てしまっていた。迫力がすごかった。音を出す仕組みが知りたい。そして、のぶさんのギターと共に始まった「+」。リョウタロウさんと福ちゃんのハモリが綺麗だった。この曲も初めて聞いたので嬉しかった。ここでドラム繋ぎが入り、その雰囲気からして絶対に、わたしのこれまた上位に入る大好きな曲が来るって一瞬でわかった。「傾き者」。この曲は、不甲斐ない自分に、そこでへこたれるな、潰れるなって言ってもらえてるような気分になる。サビのメロも好き。

 

そしてMCを挟んで「革命」へ。一分一秒までも覚えていたいはずなのに、MC内容って本当に覚えられない。のぶさん間違ったこと言ってないし、ちゃんと響いてるんだけど、もう目の前の曲に必死すぎてそれどころじゃないのだ。「革命」がその後に始まった。メンバーみんな楽しそうだった。昼公演ではアンプの上に乗っかってサーフィンをしているような素振りを見せたのぶさんと大島さんが、子供みたいで可愛かった。そのせいでのぶさんのギターの音が出ないというハプニングも。

 

そしてその後始まった「ゴミ」。これが噂の「生ゴミ」かと。字面で見ると最悪。構成がお洒落で会場の空気がちょっと緩くなった感じも新鮮だった。のぶさんの歌のアレンジに翻弄された。高音が本当にうまい、無理が感じられない、スーッと馴染む感覚。歌のスペックが高い。夜公演ではゴミで大島さん、指つっちゃってた。2月に見た時も大島さん、指つってたなあ。のぶさんが言うには、大島さんはワンマンで指つったことが5回くらいあるらしい。

 

アルバムツアーに行けてなかったので「番」「ゴミ」も聞けて嬉しかったし、ドラム続きから始まった「檻の中から」も楽しかった。今までにないような疾走感、聞いてるこっちも前のめりになってしまうようなIvyの音に引っ張られる感覚。福岡の再生するのツアーに行く予定なので、また聞けるのが嬉しい。そして最後はやっぱりこれだよなと言わんばかりの「青二才」。のぶさんが曲の前にmcで話していた、「ステージに立つのは怖い」「楽しいと思うより苦しい経験の方が多い」と言ってたのが沸々と思い出されて。

 

あんなにかっこいいロックバンドも、苦しみながら戦ってるんだって知った。今年社会人になり、新しいことと日々直面し、苦しい、辛い、辞めたいと口に出し続けた私が、自分でも恥ずかしくなった。私なんてきっと、まだ戦ってすらいない。ひたすら逃げて、どうにか避けて、うまくその場をしのごうということしか頭になくて。苦しいなんて当たり前で、楽しいって思うには苦しい経験だって必要ということを、わかってなかった。つまらない日常にしてるのは自分だった。のぶさんのmcは、毎度気付かされることが多い。大丈夫の一言に、重みがきちんとある。感じる。彼自身も沢山努力してるからこそだと思う。間近で見ているわけでもないし、知ったのもまだ1年ちょっとだけど、snsやライブを通して知る彼は、間違いなく自分と向き合っている。その言葉に確信を持たせるように、さらに色をつけてくれるのがIvy4人で紡ぐ音楽。なんて最高なバンドなんだろう。

 


そしてアンコールは「劣等」。Ivyのライブは今日で4回目、今までで1番楽しい「劣等」だった。夜の部、のぶさん楽しすぎると言って、歌ってなかった。その笑顔がもう輝いてて眩しかったし、こっちも当たり前に楽しくて、幸せな空間で、終わらなければいいのにと願いながら一音一音、忘れないように聞いた。

 

ライブが終わった後、昼の部は特に、余韻でしばらく動けなかった。ライブの間は、体感時間が5分くらいだった。コロナ禍のライブでこんなに楽しいと思ったのは久々な気がした。生きるパワーをもらった。真っ当に生きようと、考えることも大事だけど、今は目の前のことに、自分の持っているものをフルに使いながら、まずはぶつかること、自分が正しいと思うことは貫くこと、中途半端に逃げないこと。そんなことが大事なんだと考えさせられた。

 

 

 

今回は、遠征して本当に良かったと思った。確実にライブの雰囲気が良くなっていることがわかった。10月のワンマンで見た時より、彼らも、お客さんも楽しそうだった。反逆者と傾き者を聞けたことが、何より嬉しかった。Utopiaが入っていたらなお嬉しかったが、次回に期待する。

 


こんな猛暑の中、1日2公演やってくれる彼らの優しさもあり、とても満足な遠征になった。次回は福岡、また特別な日になるだろう。好きを更新し続けてくれてありがとう。愛してやまないものを、ただ愛し続けてゆきたいと思えた7月の終わりになった。